作業療法士とは

作業療法士とは、身体の機能や精神に障害が生じた方やその傾向が認められる方に
対して、自立した生活が送れるよう、身体や精神面の機能の改善や回復、維持、
開発などを促すための作業活動を用いて、治療をしたり指導やサポートを
行ったりする仕事です。
参考:一般社団法人 日本作業療法士協会

ちょっと難しく思えますが、交通事故でケガしたり、
脳梗塞や心筋梗塞の後遺症で麻痺が残った方が、手や足を動かし、
1人で日常生活が送れるようにリハビリを行ったり、
車イスでの生活を余儀なくされた方に対して、ベッドと車イスの間の移動や、
トイレ・入浴などが、介助を受けなくてもできる限り自分の力で行えるコツを
指導し、かつそれが無理なく行えるまで指導するなどの業務を行っています。

作業療法士を必要とする人

作業療法士の指導を必要とする患者さんの幅はとても広く、脳卒中や心筋梗塞、
リウマチ、パーキンソン病、事故等による脊髄損傷のほか、総合失調症や
うつ病・アルコール依存症など精神に障害を抱えてしまった人も対象に含まれます。

そのため、作業療法士の勤務場所は、一般的な病院やリハビリ施設だけでなく、
精神科専門病院や精神障害者小規模作業所、保健所や職業センターなど
多岐に渡るのです。

さらに、脳性麻痺や自閉症、精神発達遅滞、学習障害がある子供の支援も行います。
病院内に設けられる発育支援室や養護学校などに従事し、
定期的に子供およびその保護者等のサポートに当たります。
また、加齢による身体能力の低下や認知症などの高齢者をサポートするケースも
増えており、老人ホームやデイサービスセンターで活躍する作業療法士も
多数いてるのです。

社会復帰のための大事な職業

作業療法士は一定の作業活動を行わせることで、運動機能や精神機能の改善を図り、
食事やトイレなど日常の動作が1人で行えるようにしたり、社会や学校に
なじめるよう社会生活適応力を身に着けさせたりといった指導を行っています。

作業活動とは、あらゆる人間の活動を含むとされ、
筋力をつけるためのトレーニングや、ボール投げなどのスポーツである場合も
あれば、農作業を行うなどの仕事である場合もあり、
工作を作るなどの行為やゲームをするといった遊びである場合もあります。

作業療法士になるには

先にも触れたように、作業療法士は医療だけでなく、
福祉、保健そして教育や働く現場などあらゆる分野で必要とされる職業です。
作業療法士になるには、専門学校や短大・大学などの養成校で
3年から4年に亘り知識や技能を習得する必要があります。

養成校を卒業すると作業療法士の国家資格を受験する資格が与えられ、
合格すると厚生労働省から作業療法士の免許が与えられます。

その後、上記のような様々な施設で働くことができるようになるのです。
様々な事例を幅広く経験したいなら病院内のリハビリセンターに
勤務するのも1つです。また、予め目標や希望があれば、
例えば子供の障害や精神障害に特化するなどの選択も可能となっています。

最近では、病院のリハビリセンターに勤務しながら、週に何回か要請のあった地域の
老人ホームに出向いて高齢者の指導を行うといったケースも出てきているようです。