精密な仕事を行う技術職

歯科技工士の仕事は、歯の詰め物を作ったり矯正器具を作ったり、それぞれの患者さんに合わせて調整したりするというものです。
いろいろな材質を使って、個人の状態に合わせて作らないといけないので、精密さが求められる技術職と言えるでしょう。

というのも、詰め物などは、ちょっとした大きさの違いや形の具合によって、患者さんが不快に感じたり痛みを覚えたりすることさえありますので、かなり細かく調整をする必要があるからです。
そのため、緻密な作業が得意な人でないと、この仕事は難しいかもしれません。

主な仕事先は歯科技工所で、歯科医の依頼を受けて詰め物などを作成します。
この場合だと、歯科医院で患者さんと向き合うことがなく、作業所で作成作業を行うだけです。

基本的に歯科技工士の独占業務となっている

本来、こうした作業は歯科医師と歯科技工士の両方ができることになっています。
歯科医も歯科技工の教育を受けているのですが、緻密な作業が求められますし、時間もかかるので、歯科医が作業をすることはほとんどありません。
そのため、実質的に歯科技工士の独占業務となっていると言って良いでしょう。

こうした背景から、資格保有者で確かな技術を持つ人は、たくさんの仕事を行うことができて、安定した仕事となります。
歯科技工所以外でも、歯科医院の中に入って医師と協力しながら作業をするというパターンもあります。
この場合では、患者さんと触れ合う機会も多いので、ダイレクトにやりがいを感じられるでしょう。

また、大きな病院の中で勤務するというケースもあります。
最新技術を用いた業務が多いので、楽しく仕事ができますし、他の場所に比べて給料も良い傾向にありますので、人気のある就職先です。
もっとも、全体的に見ると求人は少ないので、競争率が高くなってしまうのも事実です。

国家試験をパスして歯科技工士になる

歯科技工士は国家資格ですので、国家試験に合格しないといけません。
誰でもこの試験を受けられるわけではなく、学歴による受験資格が設けられています。
いくつかの道がありますが、一番手軽なのは、高校を卒業した後、歯科技工に関する専門学校に通うことです。

全国に資格を満たす専門学校がありますので、地元で探してみると良いでしょう。
国家試験は、筆記試験の他に実技試験もありますので、こうした学校でしっかりと講義を聴くとともに、実習に力を入れて確かな技術を身につけられるようにする必要があります。

安定して求人がありますし、キャリアアップを目指して転職もしやすい業界ですので、興味のある方は要チェックです。
まずは、無理なく通える地理的条件や学資を考慮しながら、学校探しから始めてみると良いでしょう。