医薬品の開発は進歩し続けている

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医療技術の発達や新たな医薬品の開発には日々進歩しています。
昔は不治の病といわれていた病気も現在では治せるようになるなど、
進化が続いています。

それでも治療が難しく、効果のある新たな薬の登場が求められる病気があるのも
事実であり、新薬の登場や認可がおりるのを心待ちにしながら
亡くなっていく患者さんがいるのも悲しい現実です。
1人でも多くの患者さんを救い、回復を信じている患者さんや
そのご家族たちの期待に応えるべく製薬メーカーも常に研究開発に励んでいます。

高まる新薬へのニーズ

日本人の死因の第1位であるガンは、今や2人に1人がかかる病気となっています。
早期発見であれば命を落とす可能性は低いですが、それでも多くの人が
ガンの痛みと闘い、抗がん剤などの副作用に苦しみながら亡くなっています。

ガンにも様々な種類があるため求められる薬も多様です。
そのうえで、少しでも副作用が少なく、
ガン細胞だけを攻撃できる新薬の登場が求められているのです。

また、高齢化社会が問題化する日本では、アルツハイマーをはじめとする
認知症を改善する薬の開発にも大きなニーズが存在しています。
そのほか、糖尿病や高血圧、心筋梗塞、脳卒中といった
増え続ける生活習慣病に関しても特効薬の開発が進められています。
新薬が広く患者さんに利用できるようになるまでには、10年から20年という
長い時間と、数十億から数百億円ともいわれる莫大な費用を要します。

新薬が作られるまで

まず、基礎研究から始まり、薬が開発されると動物実験が行われます。
動物実験において薬の有効性と安全性に関する一定の基準をクリアすると、
次に人間の体による試験が行われます。

これを治験といって、実際の患者さん等の同意を得て実施します。
治験結果の報告書とともに、厚生労働省に新薬の承認申請を出し、
薬効と安全性が認められて初めて、新薬として発売され、
待ち望んでいた多くの患者さんが利用することが可能になるのです。
治験結果は、そのプロセスも含めて、治験は大変重要なものとなります。

動物実験で問題なくても人の体では思いもよらない結果や
副作用が生じることもあります。
少なからずリスクと隣り合わせですから、被験者は不安に陥りますし、
医師も常に緊張を強いられたりするのです。

治験コーディネーターとは

製薬メーカー、医師や看護師等の治験を実施する医療機関のスタッフ、
患者さんやそのご家族の間に入って、お互いの不安を解消し、治験がスムーズに
行われるようサポートするのが治験コーディネーター(CRC)の役割です。
参考: CRCとして働くには
治験コーディネーターは製薬メーカーや治験施設支援機関に所属する場合が
多いですが、最近では治験を実施する病院で求人を出しているケースも
目立ってきました。これには特別な資格は要求されておらず、
未経験であっても研修等を積むことで現場に出ることができます。
もっとも、医薬品や病態、副作用に関する知識があるに越したことはなく、
看護師や薬剤師、臨床検査技師やMR(医療情報担当者)からの転職組が多いようです。