治験施設支援機関(SMO)

治験施設支援機関

治験施設支援機関(SMO)とはその名前の通り、治験を行うことに対しての支援を行う機関です。新薬の開発などで行われる治験は大学病院など大きな病院や製薬会社で行われていましたが、現在十分な治験を行える程の手数が足りずに、治験が停滞しているという現状の状況があります。それを打開するため、これまで治験を実施していない中小の医療機関や医薬品メーカーに協力、支援を行うことで治験を増やし、よりよい医薬品の開発を全体的に盛り上げていくという目的で発足されました。

またこれからの医薬品の開発については、生活習慣病に対する医薬品の製造、販売が多く求められています。そこで難病や大病などを主に扱う大きな病院よりは、生活習慣病の患者がよく来院する医療機関のほうが治験に向いているとして、やはり中小規模の医療機関が現在注目されているのです。

治験を行う上で治験施設支援機関が行えることは制限があります。この機関は医療行為を行う機関ではないので医療行為は禁止されています。もし本当に人出が足りない場合などでも採血を治験施設支援機関が行ってしまうと、それは医療行為とみなされ罰せられます。

どのように支援を行うのか

ではどのような事を行って支援を行うかというと、医療機関側で手を避けない部分で、医師の免許がなくてもできることがメインとなります。例えば治験前の勉強会がそれにあたりますね。医療機関は治験以外にも通常の業務もあるため、支援機関がかわりに治験対象者に今回の治験の目的や注意点などを伝える勉強会を行います。また資料の準備や関係者との役割分担、治験の為の来院スケジューリングなど、全体の進行に関する支援を行うのです。

治験は非常に料金がかかる行為です。スケジューリングだけでも一歩間違うと何百万円単位の損失を出しかねないものなのです。そのため念密な打ち合わせや進行が必要になります。

治験の間も医療行為以外の部分での支援を行います。治験者の誘導や相談窓口、そして進捗管理などがその主な内容になります。そして治験終了後はその治験で集めたデータの収集、そして整理を実施し、被験者のケアも行います。

治験施設支援機構ではその支援の内容をフルサポートから、業務の一部を派遣という形で支援するという多様な形で医療機関を支援しています。ノウハウがない中小の医療機関でも治験への協力ができるように支援体制を構築しているんですね。もちろんただではないので、どれくらいの規模の治験を行い、どれくらい費用と利益が出るのかをしっかりと計算しながら依頼する内容を決める必要がありますね。