診療情報管理士とは
診療情報管理士という仕事をみなさんはご存知でしょうか。診療情報管理士とは4病院団体協議会が認定する民間の資格です。診療情報管理士は診療録の物理的な管理を行ったり、診療情報をコーディングすることでデータベースの構築などの業務を行う情報の管理業務、そして実際に蓄積した情報を活かすことで医療の現場に役立てるという意味で、データの分析、加工などを行う情報の活用の大きく分けて3つの役割を果たします。
データの電子化はどの業界でも必要不可欠なものとして行われているものです。このデータの電子化として診療情報管理士が活躍します。通常病院ではカルテを手書きで作成したり、来院した患者の情報もまずは手書きで情報を入手します。その情報を電子化して管理するのが主な仕事です。この情報の管理、なぜこのように浸透したかというと、平成12年に報酬制度の改正がなされ、この診療録の管理体制について診療報酬として加算することが可能になったからです。加算するためには診療で得られる情報を診療録管理体制としてまとめると加算されるようになったのです。
このことから診療情報管理士の重要性が大きく見直され、資格取得希望者がかなりの数増加しました。診療録管理体制加算は必ずこの診療情報管理士の民間資格を取得している人を配置する必要はないが、1名以上の診療記録管理者が専任者として配属されている必要があるのです。
企業努力
しかしながら加算するためにはもう少し細かい規定がそれぞれ決まっています。おおまかに説明すると過去3年間の手術記録、そして5年分の診療記録が保存されていること、そして指定したガイドラインに準じた体制であることです。また、診療録管理の部門が別途設置されていること、管理の規定が明文化されていることなどがあげられます。
診療録はかなり機微な個人情報が含まれるため、その管理体制は細かく規定されるべき内容なのです。一般企業でいうと機密情報にあたり、その情報を守るためにはISMSやPマークの認定を受けるなど、企業ごとの努力を行っています。
医療機関も同じく、患者の情報を正しく管理し、その情報から導きだされる情報を元に病気のトレンドや傾向などを細かく分析、展開するべきなのです。
しかしながら、現状の診療情報管理上では、その情報を記録、データ化するのに手一杯で、うまく活用、運用するまでに至っていないのが現状です。これからの情報化社会において、この診療情報管理上の活躍はより大きなものになっていくでしょう。